英語上達法2~外国語学習の3つの壁

外国語を習得には、いくつかの壁がある。
「頭の能力の壁」、「メンタルの壁」そして「運動能力の壁」である。

一番始めに感じるのは「頭の能力の壁」だろう。学校での勉強は、頭を使う勉強 すなわち「単語を覚える」「文法を理解する」といったことが重視される。「彼は彼女が好きです」という文を英語にする時に、まず「彼」に当たる単語は「he」と始めて、「好き」はlikeかlove。でも主語が彼だから三単現のsをつけて likes。。。そして彼女は「she」だけど目的格だから「her」。。。He likes herと作ってゆく。
だから、「単語をたくさん覚えれば」「文法が理解できれば」と考えて努力し、自分の「頭の能力の壁」と戦おうとする。覚えて忘れることを繰り返して、「私って頭悪いなあ」と思うのは「頭の能力の壁」にぶち当たっているのである。しかし一生懸命勉強しても次の大きな壁にぶち当たる。それが「メンタルの壁」である。

「メンタルの壁」は間違えることや話しても通じないことを恐れて話せなくなる壁である。一生懸命、単語をならべて話そうしても通じないと、「言葉が出来ないことは自分の価値がなくなった」ように感じる体験をする。日本ではバリバリ仕事が出来る人間であっても、外国ではレストランでろくに注文さえできない人間になっていまう。言葉が通じないと、相手から無視されたり、邪険にされる経験をする。そういうことが続くとそれで話すのが恐くなったり、億劫になる人は多い。子どもや陽気な人が比較的習得が早いのは、このメンタルの壁を乗り越え易いからだ。

「メンタルの壁」の向こうにある壁は「運動能力の壁」でも言うべき壁である。外国語は日本語とは違う音を使う。音は口の形、舌の位置、息の強さなど、口の筋肉のコントロールにかかっている。すなわち運動能力が問題になってくる。大げさな言い方をすれば、日本語に無い音をスムーズに正確に出すことと、鉄棒で逆上がりをスムーズに素早くできることとは共通点がある。たとえば、英語の「猫(キャット)」の鋭いアの音は、頭で分かっているだけでは駄目で、実際に音を出す練習をしないと出すことはできない。話している内容は正確だけど、発音がわるくてよく伝わらないのはこの壁である。